乱獲とプロの野球
プロ野球の世界では、しばしば「乱獲」といわれる行動がとられることがあります。これは、資金力にものをいわせて他球団でプレーしている有力な選手を次々と獲得することを、漁業従事者が資源管理のことを全く考えずに魚をとるだけとる様子と重ね合わせて揶揄したものです。
しかし、乱獲をしたところで優勝を手にできるわけではないのがプロ野球の面白いところです。ターゲットとなる選手は主力選手が中心であるため、獲得に成功した場合は戦力アップとなるはずですが、これはデータの上での話です。実際には、移籍してきた選手がチームのプレースタイルに順応できなかったり、怪我の影響で試合の出場機会が減少したりするなどで移籍前以上のパフォーマンスを出せないことがあります。
また、移籍選手本人は活躍していても、他の選手の成績不振の影響で思うように勝てず、優勝できずにシーズンを終えたケースや、球団が補強すべき点を誤って考えていたがために十分な戦力アップにならず、結果が出ないケースなどもあります。逆に、目立つ戦力補強をせず、所属選手のパフォーマンスの底上げに徹した結果、翌シーズンでリーグ優勝や日本一を達成したケースもあります。